頭皮&髪の毛のケアを抜本的に見直して三週間が経とうとしています。
遭遇しました、「毛髪常在菌」のワードに。
科学的な話にはとんと疎いので以下、研究者のレポートからの抜粋でお届けします。
□ ヒトの皮膚には,細菌,真菌およびウイルスを含む複雑な微生物コミュニティが形成されている
□ これまで頭部を対象とした細菌叢解析の研究は,主に頭皮や毛包および脂腺といった「生きている領域」を対象に発展してきたが 略 しかしながら近 年,ヒト毛髪にも常在菌が存在し細菌叢を形成していることが明らかとなり 略 その組成や特徴を解明する動きが活発となっている
□ 毛髪細菌は年間を通して細菌数が変化しないことから,常在菌であることが示された
□ 毛髪細菌はヒト頭皮から拡散される皮脂や汗等の栄養供給を受けると示唆されている
□ シャンプー等の洗髪による影響はほとんど受けず,洗髪後でも細胞密度は変化せず,強固に固着している
□ 毛髪細菌は洗髪などに関わらず年間を通して安定に存在する,常在菌であるとい える
□ 毛髪は頭皮から伸びているが毛髪と頭皮の細菌叢は異なっている
□ 毛髪は,他部位と比べ、シャンプー、コンディショナー、 整髪料、染料、ブリーチなどの化学処理に晒される頻度が高く,毛髪細菌叢に影響を及ぼすことが推測される
□ 外的要因が細菌叢の形成に寄与することが示唆された
□ 男性と比べ女性では細菌種が多様であり,個人間によるヘア関連化粧品の幅広さや化学処理 の頻度が影響を与えていると考えられる
□ 内的要因(性別等)が直接影響してい るかは明確でないが,生活習慣における外的因子が細菌叢に影響することにより,ヒト 毛髪細菌叢の個人による特異性が形成されていると考えられている
□ 常在菌として毛髪細菌の存在が報告されてからわずか 8 年であるが,毛髪細菌叢に関する研究は年々加速している
『⽑髪細菌の基礎と発展 ; ⽑髪細菌叢の特異性とその 要因および利⽤ 』 より
山田 あずさ 九州大学大学院生物資源環境科学府
個人的にはすごい発見と興奮気味なのですがいかがでしょう。
これまで頭皮の常在菌についてはさまざまなところでその情報を目にしましたが、毛髪常在菌という単語は私は初めて目にしました。『毛髪細菌の存在が報告されてから8 年』とありますが、このレポートは2022年に発表されています。ということはすでに10年が経っている。であるとすれば10年以上前の理論で創られたヘアケア商品の有効性はどうなのか、という素朴な疑問がわいてきます。
少なくとも、ヒト毛髪常在菌というキーワードで開発されたヘアケア用品って、私が調べた範囲では存在しません。それともこの理論そのものの整合性が疑われているということなのでしょうか。
上記レポート内容、私の理解で要約します。
□ 頭皮だけでなく毛髪にも常在菌が存在している
□ その常在菌は髪との相性が良いのか洗髪などのあとでもしっかりと髪に固着している
□ ヒト毛髪常在菌は頭皮から拡散される皮脂や汗等の栄養供給を受けているのではないかとされている
□ 同時にヘア関連化粧品の幅広さ、同時に化学処理の頻度によっても大きな影響を受けるのではないかと考えられる
私の理解に落とすとこんなレベルになってしまうのですが、これを見ると、
□ 頭皮環境を整えておくことによってヒト毛髪常在菌のバランスも良くなるのではないか
□ ヘアケア用品による化学処理が常在菌によって可と出るか否と出るかはその使用範囲、頻度に関わってくるのかもしれない
□ 洗髪によって常在菌が流されることは少ないがその洗髪洗剤の内容と使用頻度によって常在菌の特性が変わることはあるだろう
以上三点のポイントが浮かび上がってきます。
さて、これをどう自分のケアに落とし込むか。
常在菌ってそもそも息をしているものなんでしょうか、あえて調べませんけど。
頭皮にいる常在菌のために洗剤洗いではなく、お湯洗いが有効なのではとする情報がありました。
もしそうだとしたら、お湯洗いは髪の毛の常在菌にも有効と捉えてもいいのでは ?
もし息をしているとしたら、油こってりのヘアケア剤よりお湯で落とせるヘアケア剤の方が常在菌に対して「より」優しいのかも。
シャンプーでは落ちないというけれどブラッシングではどうなんでしょう。一般的には動物毛のヘアブラシが良いとされていますが、もしかしたらあまり毛の密集していない、つまり逃げ場のある大ぶりな櫛などでとく程度がいいのでしょうか。
そしてこれは私にとってはものすごく大切なポイント。
常在菌はウイルスと同じように意識があるのでは、と感じています。ウイルスの場合、「仲良くしようね」という気持ちで寄り添うとウイルス自体に攻撃性が生まれないとする説を目にしたことがあります。
ことの真偽はわかりません、私は「そうなんだろうな」と感じていて。
「ウイルスをやっつけろ」ではなく「一緒に生きさせて」という気持ち。
常在菌に対しても同じ気持ちで生きていこうかな、と。
いずれにしろ、髪の毛は死滅細胞だから何をしても変わらないという説が一般的ですが、そこに常在菌の存在が加わったらケアの方針が変わってきてもおかしくないはず。
髪の毛なんて痛んだら切ればいいんだよ、との説もありますが、せっかく生きてくれていた常在菌はどこに行くんでしょう、そのまま死滅 ? 感謝もせず排除 ?
毎日100度以上の熱を与えるってどういうことなんでしょう。毎日油こってりのトリートメントやスタイリング剤をべっとりつけるってどうなんでしょう。
これらは否定形ではなく疑問形です、ちゃんと自分自身でことの本質に向き合っていこうという。
実はヘアケア、煮詰まっていました。
□ 頭皮 お湯洗い
□ 髪の毛の一部のみシャンプー洗い
□ 毛先のみ軽くアウトバストリートメント
□ 時々ハーブ粉で頭皮、髪洗い
これを適宜使い分ける、という形で続けてきましたが、さすがに暑すぎて、どうしても洗髪頻度が上がる、すると髪はぱさつくという悪循環に。
もしも毛髪に常在菌がいてそれらはシャンプーでは流れにくいというのなら、この髪のパサつきは頭皮のパサつきのはず、あるいはそもそものところで毛髪常在菌の数が減っているとか ?
それは今は卒業したけれど20年以上続けてきた縮毛矯正のせい ?
いや、数ではなくて、その特性が変わっている ?
このように一個一個丁寧に検証していくことが大切なのかもしれません。
「髪&頭皮」のプロとされる人々はそれぞれ魅惑的な情報を提供してくれているけれど、本当のドクターは自分自身。
結果的にいろいろ干渉してくる( あるいは私が干渉を望んだ ? ) 形になる専門家のエネルギーに依存しまくりでヘアケアをしてきた事実にいま、気づくことができました。もちろんそれも必要だったからこそ。
毛髪常在菌というキーワード、正しいか間違っているかの判断ではなく、たとえその理論が正しくなかったとしてもいまあらわれてきてくれたことは私にとって「ギフト」以外の何物でもありません。
くせ毛で脱縮毛矯正の最中で、しかも湿度の高い海のそばの街に住んでいて。
おそらく過去最悪の髪のコンディションです、今年の梅雨、夏は。
でも、だからこそやっと超越することができたのかもしれません。
髪の毛の一見サラツヤのために何を踏み台にして何を忘れてきたのか何を失ってきたのか。
そしていま、何を得ようとしているのか。
ルッキズム、虚飾文化の終焉。
&
はじまり。
※ 2024/07/20
数か所加筆修正