季節柄でしょうか、花シリーズです。
前々エッセイ、前エッセイで「ツバキ」についてよしなしごとをお伝えしています。
その後「ツバキ」に関する新事実 ! が発覚したのですが、当エッセイでは別の木について「よしなしごと」を。
そう言えば私、国文科だったのです、なんかすっかり忘れていたけれど。
わが街ではサクラの花が終わり、同時にツツジの花もほぼ終わりが近づいて来ています、そう、ツバキもフジも。
その次に咲いてくれているのがサツキ、そしてシャリンバイ。
シャリンバイとはバラ科シャリンバイ属の常緑低木。和名は「車輪梅」。葉が車輪状に互生し、また花は梅の花に似ていることからそう名付けられているそうです。
「こんな季節にウメ ? ウメの木の少ないこの街に別のウメ ? 」
うっかりものの私は「車輪梅」の表記をみててっきりウメの仲間かと思い、舞い上がってしまいました。
車輪梅の花はほのかに香ります。花そのものが香るというよりは花の周辺に匂いが漂っていると表現する人たちもいるようです。
ジャスミンよりさらに淡い香り。香りがあるからこそウメに違いないと。かなりのうっかり、です。
ウメはバラ科、サクラ亜科、スモモ亜属に属し、学名はウメPrunus mume Sied et Zuccでとなります。『ウメ』は『スモモ』や『アンズ』、『サクラ』の仲間。
シャリンバイは和名に「梅」がつくのにスモモたちの仲間ではない。
もしかしたらこれは何かのメッセージなのかもしれません。
なんでしょう、シャリンバイを「ウメ」と思わせたい誰かがいたのか、本当の「ウメ」の力を過小評価したかった誰か、何が本物で何がニセモノなのか、それらをあやふやにしたかった層がいるのでしょうか。
たいてい樹木の「和名」というものは権力者の意向でかなりの後付けがなされているもの、そもそもの名前を追っていくとまったく異なるイメージにつながったりすることもあるのでいろいろな意味で興味深いものがあります。
さて、そのシャリンバイの生育地は宮城県、山形県以南。国外では中国、朝鮮半島、台湾、フィリピン、ボルネオ。
これをみるとどうやら縄文期にこの母子里にあった木ではなさそうだ、ということがわかります。
おそらく、ですが渡来系の民たちの動きに同調した木なのかもしれません。もちろんウメ自体も中国由来とされていますし、モモもそう。アンズに関しては中国では紀元前2~3世紀にはすでに栽培が始まっていた歴史の古いフルーツで、花は観賞用、仁は薬用、果肉は生食や加工用に利用され、五果のひとつとして重用されてきたという情報が一般的です。
「シャリンバイ」、調べてみました、原産は台湾とのこと。
なるほど、渡来系と言っても台湾からきた海の民 ? 一般的にいわれる「弥生」系とは異なる民族なのかもしれません。
話がゴチャゴチャになっていますが、実はシャリンバイは両性花とされています。両性花とは雄しべと雌しべの両方を持つ花です。同じ花の雄しべと雌しべで受粉し、実をつくることができるという木。
日本の国花とされているサクラ、この時のサクラはほぼソメイヨシノを意味しています、ソメイヨシノは両性花ではありません。クローンのためソメイヨシノ同士でのサクランボはできません。
西洋では「サクラ」というと果樹のことを指すそうです。日本ではサクラ=花木=ソメイヨシノ。
このことからもソメイヨシノはサクラとしてもかなり特異な存在だということがわかるのではないでしょうか。
話を戻し。
シャリンバイ、両性花。そしてアンズも両性花なのです。
アンズのシンボルには両性具有というものがあるんだとか。そう、両性花からきています。
私の手元に二週間ほど前でしょうか、ツバキ油がやって来てくれました。
これは縄文時代の遺跡から発掘された現ヤブツバキと同じ種類のツバキ油です。縄文時代にはおそらくその名さえなかったのではないでしょうか。
名称はどうであれ、縄文の記憶を携えた樹木の末裔とでもいうべきエネルギーがやって来てくれた、そのことに深い意味を感じていました。
さらにその数週間前、私の手元に「アンズ油」がやって来てくれていたのです。その時「アンズ」には「両性具有」の意味があることを知りました。
そして「シャリンバイ」も両性花、ということは同じ「両性具有」の意味があるのだろうと。
そう、まず「アンズ = 両性具有」、次に「ツバキ = 縄文」、さらに今回の「シャリンバイ = 両性具有」。
いよいよ、いよいよなのですね、きっと。
以上ふたつは縄文シリーズとも言える内容です。
私はこれまで縄文を口にすることはなかった、意図的に避けてきました。
ここまで明確に「縄文」宣言がなされていることに驚きを禁じえません。
また当エッセイ、行ったり来たり、がすごくないですか。
話がまっすぐではなくらせん状。
ここにもメッセージです。
いま、私は「脱縮毛矯正」の最中。私の髪はもともと「まっすぐ」ではなく「うねうねうねうね」、ある意味「らせん状」。
メッセージでまくり感がいなめない。
当エッセイ、2024/05/05に執筆終了 ( 更新は翌日 )。
その瞬間、はじめて耳にした「ジャガマイタ」という祭事。
「ジャガマイタ」とは毎年5月5日に行われる「栃木県・間々田のじゃがまいた」と言われるお祭りのこと。祭りの主役となるのは子供たちで、長さ15mを越える龍頭蛇体の巨大な蛇(ジャ)を担ぎ「ジャーガマイタ、ジャガマイタ」のかけ声とともに町中を練り歩くんだとか。
龍蛇信仰の名残りのひとつ。
「ジャガマイタ」とは「蛇が参った、参上した」、または「蛇がトグロを巻いた」の意味だそうです。
いよいよ、いよいよ、の意味はここにもあらわれているみたいです。
※ 当エッセイ、文章の流れがスムーズではありません。あえてそのままアップします。
◇ 参考
『神話と伝説にみる花のシンボル事典』 杉原梨江子著