「妃」という漢字の語源を調べてみました。
(女+己)の会意文字。「両手をしなやかに重ねひざまずく女性」の象形と「へび」の象形からなっていてそこから「へびの形をした雨の神につかえる女性」の意味になる。さらにそれが転じて、「きさき(天子の第二夫人、皇太子の正妻)」を意味する「妃」という漢字が成り立ったそうです。
「へびの形をした雨の神につかえる女性」。ではその「へびの形をした雨の神」とは ?
どうやらこれはインド神話に起源を持つ、蛇の精霊あるいは蛇神「ナーガ」のことではないかと感じました。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると「ナーガ」の関連項目に「宇迦神」が出てきましたので、ここから「弁財天・弁天」や「龍神」と近い「カミ意識エネルギー」とのつながりがうかがえます。
また「ナーガ」の中で「原初のカミ意識」としての「アナンタ(Ananta)」の表記がみつかりました。「アナンタ(Ananta)」とは「無際限」 または「永遠」を意味するとのこと。
宇宙の「無限大」とのつながりが感じられますので、「へびの形をした雨の神」は特定の人格神ではなくさらにひろい意味での「宇宙根源意識、またはシステムとしてのエネルギー」と捉えられるような気がします。
「妃」を天子の第二夫人、皇太子の正妻と捉える概念はきわめて近代的発想。おそらくこの発想は西洋思想がベースになっているのではないでしょうか。
あまり一般的ではないのですが実は「妃」という漢字には、「女神の尊称 (尊敬の気持ちを持って呼ぶ言葉) 」という意味もあると言います。
この時に「女神」を人格神と捉えるのではなく、創造神としての女神、男性原理・女性原理、また男性性・女性性の両方を携えた「両性具有」の「女神性」の意識エネルギーととらえると、より「妃」という漢字の意味するところが鮮明になるように感じます。
つまり「妃」という漢字はそれ自体が「蛇神」をあらわしていて、そのエネルギーは「女性的創造」、そう「生命の創造」「大地の豊穣」そのものではないか、と。
もしあえてそれらの「カミ」に仕える女性という意味であるのなら、「妃 きさき」は夫人や正妻の域を超えて「カミに仕える=巫女」と捉えることができるかもしれません。
「蛇」は脱皮をくり返して成長することから、古代世界においては死と再生のシンボルとして「生命」そのものの女神信仰と結びついていました。ただしそれは人格神ではなくしかも両性具有のエネルギーを携えている。
「女神」というと「女性」と思ってしまうのは、私たちの中に何かの刷り込みがあるからなのかもしれません。
女神は女性原理優位であり同時に女性原理劣位でもあり、つまり男性原理優位でもあり、というようにいままでの認知の歪みを見直すチャンスをもたらしてくれているのがいま、私の場合「妃」という漢字だということです。
当エッセイ、最初は「ベリーダンスと蛇巫」というテーマで執筆する予定でした。
「妃」というテーマが優先されたことにも意味がありそうです。
Diamond Online(2024.2.4 )に【「紀子さまとキャサリン妃」なぜ相次ぎ健康不安?皇室と世界の王室で広がる“深刻な頭痛のタネ”とは】の記事があがっていました。
なるほど、世界の王室とにほんの皇室、その「システム」に再生のスイッチが入りはじめているというサインかもしれません。
「にほん」の皇室制度は明治維新によって創られたもの。もしかしたら本来の「皇室」「天皇家」の姿が私たちの前にあらわれる前兆ではないでしょうか。
「ソースそのものに戻る時です、ひとつの〇を想いだして」のメッセージとともに。
※ 「妃」という漢字が名前に入っている女性アイコン、記号としての多次元的メッセージはなんなんだろうと当エッセイを記しました。あえて名前は特定しませんが、個人的にその方の「運命」に寄り添い、何よりそのいのちの意味と価値を尊重する気持ちで。
私たちの名前には「無限」の情報が託されています。それらをひとつひとつ読み解いていくと、この世界のとてつもない可能性に鳥肌がたつほどの感銘を受けるかもしれません。
◇ 参考
漢字・漢和辞典-OK辞典 「妃」という漢字
ナーガラージャ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナーガ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』