カラスは黒色だと信じていました。人生初、白と黒の混じったカラスに遭遇したのです。二日続けて。
さっそく調べてみると白と黒がクッキリわかれてはっきりとした模様になっているのは「カササギ」と呼ばれる鳥のようですが、私が出逢ったのは羽根が黒白タテマダラになっているカラス。きのう2羽、きょうは1羽。
私は元々イエスorノーがはっきりしている方で、なんでも白黒つけなきゃ気が済まないタイプでした。ここ数年でしょうか、いや、白か黒かなんてはっきり決められないことがたくさんで中にはグレー・ゾーンもあるだろうし、きのう、きょうであったカラスのように白と黒が順繰りに入り混じっていることもあるだろうし、とそんな考え方に変わってきたのは。
融合、黒と白がうまい塩梅に溶け合いはじめているのかもしれませんね、私にとっての「黒」、そして「白」。
カラスにはどんな意味があるかというと、創造と神秘の象徴。カラスは自然の神秘を創造し、形にするように促しているんだとか。創造と神秘はいたるところにあって、実は誰でも手が届くのだよ、と教えてくれているんだそうです。また、あの黒い色は無意識や原初の混沌、もののはじまり、豊かな大地などをあらわしていて、それに白が混じっていた、ということは無意識と顕在意識の融合、あるいは原初の混沌が少し和らぎ、確かに何かが始まっているんだというメッセージでもあるのかもしれません。
カラスというと、黒い色をしていて不吉な知らせを伝える鳥、などの解釈もあるようですが、それは黒が不吉、とイメージづけられてしまっているからかもしれませんね。あの漆黒の光は物質の最初の状態をあらわし、形が定まっていない段階なのであらゆる可能性を示している色だとも言われています。
さて、あなたならどんな解釈がハートに響くでしょうか。私自身はかなり希望に満ちたメッセージを感じていますけど、どんな解釈も「あり」。それぞれがユニークな存在ですものね。
※ 追記 当エッセイの前のエッセイはこちらです。地球回帰、自然回帰、人間回帰
以前私はカラスの大群に囲まれると怖くて仕方なかったのですが、最近はまったく恐怖を感じなくなりました。
そのキッカケになったのは和歌山県の熊野に行った時のこと。熊野エリアではカラスは聖なる鳥。場所によって、人々の解釈によってまったく真逆の価値観に変わる鳥。白黒コンビのカラス君は、「まぁまぁ、そんなに白黒つけなくても。そもそもはみんなひとつなんだからさぁ」と人々に伝えているのかもしれませんね。
参考『ユング心理学へのいざない~内なる世界への旅』秋山さと子著
『アニマルスピーク~自然の力を借りる』テッド・アンドリューズ著