契約解除、つまりこころの解放シリーズが続いている。
ここでいう「契約解除」とは、私が生まれてくる前に自分自身で契約したことを自分自身の意思で新しい契約に書き換える、ということを意味しているらしい。
古い契約から新しい契約へ。
に引き続き、今度は「家父長制度」契約の解除、というキーワードが浮かんできた。
私たち日本人は「イエ」に守られてきた。その柱の一つに「家父長制度」がある。
「家父長制度」とは、簡単に言ってしまうと、特定の支配形態の一つとして、男性、もしくは男性性をそのリーダーにする、という考え方だ。
これはキリスト教の教えと重なる部分がある。キリスト教にとっての「主」「リーダー」はまさしく「父」。父性、男性性の意義をつよく打ち出す考え方だ。
この考え方によって、女性性は護られる立場になった。その一方で、時に抑圧の対象にも考えられた。
ここで言っている「女性性」「男性性」は、=「女性」「男性」の意味ではない。
私たちの中には、どちらも備わっている。
それが深層心理学者・ユングの考え方。私はユング信奉ではないけれどユング理論のこの部分は理解できる。理解したつもりなだけかもしれないけれど。
私自身、「女性性」「男性性」のバランスが悪く、そのため、重篤な婦人病に苦しんだ時期があった。子宮や卵巣、あるいは乳房など、女性特有の病気にかかる人は、「女性性を強く否定している」ことが原因とされている。これも深層心理学の流れの考え方だ。
ありがたいことに病気、病態はすでに「治癒」の状態に至っている。
このタイミングで「家父長制度」との契約と解除の概念が浮かんできた、ということは、私の中で「女性性」が立ち直り、同時にそれにあわせて「女性性」「男性性」のバランス状態がより「調和」に近づいたということのメッセージではないかと感じた。
前エッセイで
に触れた時、漠然とこの流れを感じていた。
日本における医療とは、すなわち男性性優位の世界のことだから。
言葉を変えれば、科学優位。私たちは健康を保つため、科学に支えられ、科学に護られ続けてきた。そのお蔭で、多くの人が健康、という財産を与えてもらっている。
が、健康には、もしかしたら女性性の司る部分も関与するのかもしれない。『病は気から』という言葉があるように、気持ちだったり、氣、と表現されるエネルギーだったり。
その気持ちが膨らんで私自身の「医療社会」との契約解除、正しくは契約改定、に至ったようだから。
時代が変わるように、私たちの意識も変わる。
これまで正しかったと思っていたことに少し軌道修正を入れたいと望むことは、「反抗、反発、反感、反撃」ではなく、「受容」の力によるものではないだろうか。
この「受容」こそ、女性性の力に他ならない。
男性にも女性性はある。
男性自身が自分の女性性を受け容れることができれば、男性のこころももっと楽になるはずだ。追い詰められた女性性、男性性の解放。
それまで女性が少しだけリードして、「女性性を受け容れるとこんなに考え方が穏やかになるよ」と母のまなざしで男性をこころの中で受け止めてみてはどうだろう。
そのためには、女性の「女性性回帰、復権」、同時に「男性性回帰、復権」が現実のことになるように、自分に向き合うことが大切だけれど。
深層心理学は万能、とは言い切れない。奥が深い世界。
何かの足しになるヒントは満載だ。