「呼吸法」。
息は = 生きるにつながると以前当エッセイでもお話したことがあるでしょうか。
私たちは生きるために呼吸をします。呼吸が浅くなった時は、生命力が低下して病気や体調不良などを招くケースも少なくありません。
気持ちがいっぱいいっぱいの時はたいてい呼吸が浅くなっています。するとイライラしたり、よけい不安に飲み込まれやすくなったり。
辛いなと思うときは少しだけ自分のために時間を取って、数分深呼吸をしただけで気持ちも身体ももち直してくれることがあります。
きょう、私は「呼吸法、上手ですね。とても綺麗にできています」とピラティスの先生にほめていただき、かなり嬉しくなってしまっています。
ピラティスをはじめてから約半年。思っていた以上に私には合っているらしく、週一のレッスンが楽しみで仕方ありません。きょうはいつもとは別の先生のピラティス・レッスンに参加しました。プールサイドで行う、「ホット・ピラティス」です。今まで「ホット」なので敬遠していましたが、一度参加してみたいな、という気持ちが強くなってきていたため、いわば「お試し」で参加してみました。
きょうのレッスンは呼吸法がメインでした。私ははじめてのレッスンの時は、必ず先生に「はじめてなんです。よろしくお願いします」と挨拶するようにしています。
そうすれば先生も気にかけてくださるし、私自身も「はじめてなんだから上手にできなくても平気」と安心できるからです。この辺、ちょっと「自意識過剰」のあらわれだと認識しています。
でもそれが私。
前半、基本の呼吸法を行っている時、先生が一人一人の様子を確認しながら回ってくれました。はじめての先生なので少しだけ緊張してました。私は人見知りなんです、対人恐怖症の一つ。先生が私の肋骨付近に手をあてて、ビックリしたように、
「呼吸法、上手ですね。とても綺麗にできています」
そう言ってくださったんです。
キャ~、嬉しい。
素直にそう思えました。
今までの経験から言うと、例えば同じ「ピラティス」でも先生によって解釈が異なっていることがほとんどです。ですから、レッスンそのものも少しだけいつものレッスンとは違う動きになって、大体三回目くらいでその内容が理解できるようになります。
呼吸法のやり方も基本はいつもの先生と同じですが、やはり少し異なるところがありました。
ですので、私にしてみれば「初回」なのに「できちゃった」感覚でとても嬉しくなってしまったというわけです。
レッスン終了後、先生にお礼を言いに行くと、「どこかでピラティスやってらっしゃいますか」と言われ、「はい、半年ほどこのクラブのスタジオで。元々はヨガを十数年やってたんですが、身体が固いし、ちょっと腰を痛めてしまったこともあってピラティスを始めました」と私。
「そうですか。ヨガの腹式呼吸になれるとピラティスの胸式呼吸はなかなかできなくなってしまう方が多いんですけど、どちらもいいバランスで上手にできているんですね。すごく綺麗にできているので驚きました」
キャ~、再度嬉しい。
「お試し」気分での参加でしたが、継続してやっていくことに決めました。
今までお世話になった先生にお礼を言わなきゃ。
頭がグルングルンとまわります。これは「多動性」の特徴の一つです。
そう、私は自意識過剰だったり、人見知りだったり、多動性の傾向があったり、かなり「癖」のあるタイプ。でもこれらは私の特徴で、言ってみれば「資産」の一つ。デメリットとしてあらわれることもあれば時にメリットにもなってくれて、時に才能にもなってくれたりする愛おしいものたちなので、大切に向き合いつつ毎日を過ごしています。
そんな私が一番嬉しいのは「バランスがいい」と言われること。アンバランスだから、いろいろなエクササイズに手を出しているわけで。ヨガ、ストレッチ、太極拳、そしてピラティス。一時は骨盤エクササイズもやっていました。みんな「習う」だけですけど。
ヨガなんて三年も続けたら上級者です、と数日前テレビでやってるのをみましたが、私なんて十数年続けてもまだまだ「初心者」レベル。何が違うんだろう。
けれどそのお蔭でいろいろアラカルトで楽しめるというメリットもあったりするので、どちらがいいとは言えないのかもしれませんね。
私には複数のエクササイズを気分に応じて取り入れた方が合っているんでしょう。これこそ多動性ならではのメリットです。
ラインナップをみていただくとおわかりになるかもしれません。私の場合、基本「呼吸法」を取り入れているレッスンしか受けていません。
ヨガやストレッチは腹式呼吸。太極拳も腹式ですが、息を吸うときにお腹をへこまし、息を吐くときにお腹を膨らませるので、通常の腹式とは反対になります。そしてピラティスは胸式。
そっか。私は「呼吸」をするためにエクササイズをしているのかもしれませんね。
思えば子供の時からノドが弱く、また広場恐怖症&パニック障害の経験もあって、呼吸があまり上手ではなかった。
今はパニック障害はまったく出なくなっていますが、それでも呼吸は命に直結したもの。私の潜在意識が「あなたは呼吸をマスターする必要があるんですよ」と導いてくれたんでしょうか、知らないうちに。
なぜならそれらのレッスンを選ぶときに「呼吸法を学べるから」なんてことは思ったことがないんです。
受けてみたら結果的にみんな「呼吸法」を取り入れていた。
すごいですね、すべて魂の導きです。
最近目にした情報です。霊感が強かったり、エネルギーに敏感な人は「呼吸時」「呼吸器系」に外からのエネルギー関与が入りやすいんだとか。私はエネルギーにはかなり敏感な方なので、もしかしたら、自分を護るために潜在意識がきちんとガードできるようにと「呼吸法」を日常的に取り入れられるようにしてくれたのかもしれません。
「上手です」「綺麗です」はたまたまのリップ・サービスではなく、あちらの世界のなにものかが先生の口を借りて、私に伝えてくれたものだっりして。
「呼吸法、マスターできたね、おめでとう」と。
呼吸をするということはいわば命を育むということ。
自分を大切にする。
その象徴的行為の一つなのかもしれません。
運動神経が鈍いとかリズム感がないとか、そんな私でもちゃんとできるものがありました。
自分に合った「ちょうど良い」探し。こうやって積み上げていけばいいんだな、と、なんだかとても気分が良いのです。
上級者になる必要はないんです。自級者 ? かな、私の目指すところは。
自分の身のほどを知るということが今の私の喜びなんだと思うから。
私の場合は。のお話ですが、もしかしたら似たタイプの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。